技術コラム

アルミダイカストにおける各材料の特徴をご紹介!

ダイカスト鋳造にて、使用される主な材質はアルミです。実は、このアルミには、様々な材種が存在しています。そこで、今回はダイカスト鋳造で主に使用されるアルミの各材料の特徴についてご紹介します。

ダイカスト鋳造にアルミが使用される理由

なぜダイカスト鋳造において、アルミが重宝されているのでしょうか。その理由としては、主に下記の5点が挙げられます。

1.鋳造性が高い
2.強度が高い
3.軽量である
4.高いリサイクル性がある
5.通電性がある

また、アルミは、これら5つの特徴に加え、耐食性が高かったり、熱処理をすることで強度が増すなどダイカスト鋳造品の製造において重要となる多くの特徴を持っています。

アルミダイカストにおける各材料の特徴

ダイカスト鋳造では、主に下記のアルミ材料が使用されています。各材料の特徴について詳しくご紹介します。

ADC12

”ADC12”は、Al-Si-Cu系アルミニウム合金となります。アルミダイカストにおいて、最も幅広く使用されている材料であり、アルミダイカスト鋳造品の90%以上にこの”ADC12”が使用されています。”ADC12”は、湯流れ性、切削性等が非常に高く、バランスの良い材料であるといえます。特殊な用途ではない限り、全ての産業の全ての部材に使用することが可能です。

ADC1

“ADC1”は、シリコンとアルミが主成分のAl-Si系アルミニウム合金です。鋳造性に優れており、複雑形状や薄肉形状にも最適ですが、耐久性の面でADC12に対し劣ることからあまり一般的ではない材料です。但し、湯流れ性・耐焼付き性の良さから、湯じわ・焼付き不良が抑えられるため、見た目の美しさを気にする製品に最適です。

ADC3

“ADC3”は、Al-Si-Mg系アルミニウム合金で鋳造性はADC1に劣るものの耐摩耗性、機械加工性の良い材料です。機械的性質と耐食性の良さから大型の強度が必要な製品に最適な材料です。

ADC5

“ADC5”は、マグネシウムが多く含まれたAl-Mg系アルミニウム合金となります。ダイカストで主に使用されるアルミの中では、最も耐食性に優れています。さらに、伸びや衝撃にも優れているため、高度な強度が求められる場合に使用することが多いです。一方で、鋳造性は高くないため、複雑形状のダイカスト部品には向かない材料とも言えます。

ADC6

”ADC6”は、前述の”ADC5”と同じく、マグネシウムが多く含まれたAl-Mg-Mn系合金アルミニウム合金であり、”ADC5”と似た性質を持っています。耐食性・強度に優れていますが、ADC5よりは劣ります。その一方、切削性、流動性、耐摩耗性、研磨性は”ADC5”より優れています。この特徴を鑑みて、”ADC5”と”ADC6”を上手に使い分ける必要があります。

ADC14

“ADC14”は、Al-Si-Cu-Mg系アルミニウム合金です。特徴としては、優れた耐摩耗性、高温下での高い強度が挙げられます。一方で、他のアルミニウム合金と比較すると、鋳造性、耐衝撃性に劣る材料であるといえます。上述したADC12と同等の成形方法で鋳造できるが、溶湯温度を高く設定する必要があります。

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いかがでしたでしょうか。今回は、ダイカスト鋳造で使用される主なアルミの各材料特徴をご紹介いたしました。

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