技術コラム

アルミダイカストの材料と機械的性質について

■アルミダイカスト材について

アルミダイカストに使用される材料ですが、アルミ全般の特徴として、

・比重が軽い…鉄のおよそ3分の1
・熱伝導率が高い…鉄のおよそ3倍
・リサイクル性が高い…他の金属に比べ溶解温度が低く、錆等により品質の劣化がしにくいため、リサイクルに使用されるエネルギー量が少量で済む

などが挙げられます。
またJISに記載されているアルミニウム合金ダイカストは全20種類で、その内約94%はADC12が使用されており、残りの19種が6%弱の使用率となっています。
流通量の違いからADC12以外の材料選定を行う場合は、調達価格が高額となる可能性があります。

■アルミダイカスト材の化学成分

ダイカスト用で使用されるアルミ合金とそれぞれの化学成分は以下の様になっています。

■アルミダイカスト材の機械的性質と特徴

ダイカスト用で使用されるアルミ合金の機械的性質、及び特徴は以下の様になっています。

■アルミダイカスト材が使用されている部品例

材料によって機械的性質や特徴が異なるため、用途によって使い分けされています。材料別部品使用例は以下になります。

【ADC10・ADC10Z・ADC12・ADC12Z】

●自動車部品
ロッカーアームウォーターパッセージモーターカバーカムホルダーサブアームチェーンテンショナ、エンジンマウントブラケット、キャブレター、シリンダブロック、チェーンカバー、エアコンプレッサハウジング、クラッチハウジング、コンバータハウジング、トルクコンバータステータ、ホイルキャップ、アダプタケース、カムブラケット、パワーステアリングポンプ、トランスミッションケース

●二輪車部品
ファイナルフランジドリブン、クランクケース、シリンダボディ、ヘッドシリンダ、ハウジングシャフトドライブ、プレートブレーキシュー、ハウジングチェーン、ブラケット、ホイールハブ、ロアーケース、シリンダバレル、ショックアブソーバ・ケース

●船外機
ボトムカップリング、ケーシングロア、ケーシングアップ、エクステンション、ブロック・ヘッドカバー

●農業機械
動力取出しケース、デフギヤケース、トランスファーケース、ロッカーカバー、バルブボディ

●AV機器・電化製品関連
VTRフレーム、VTRカメラ、ステレオターンテーブル、DVDピックアップ、ディスクドライブフレーム、光ヘッド、プリンタプラテンロール、複写機、ケーブルジョイント、ドラムフランジ、ガス機器コック

【ADC1】

●自動車
メインフレーム、フロントパネル

●建築材料
エスカレータ部品

【ADC3】

●自動車
ホイルキャップ、エンジンマウントブラケット

●二輪車
ブラケットマフラ、クランクケース、ブラケット、ホイール、フレーム

●自転車
ホイール

●船外機
ケース

【ADC5】

●船外機
プロペラ、シリンダ、インペラ

●農機具
振動アーム、つめ押え板、植付けアーム

●釣具
ベールアームレバー、クリック、スプール

【ADC6】

●二輪車
ハンドレバー、ウインカホルダ、ウインカベース、フットレスト、ハウジングクラッチ、ブラケットマフラ、ピストン、クランクケース、ブレーキレバー、クラッチレバー

●船外機
プロペラ、ケースウォーターポンプ、プロテクトバーエンド

●ゴルフ用品
メタルヘッド、ソールカバー

【ADC14】

●自動車
オートマチックトランスミッション用オイルポンプボディ、ハウジング、カークーラコンプレッサハウジング、カークーラシリンダブロック、ミッションシフトフォーク

●二輪車
インサート、ハウジングクラッチ