技術コラム

ダイカストにおける巣の原因と対策

ダイカストにおける巣(鋳巣)とは?

ダイカストにおける巣(鋳巣)とは、ダイカスト鋳造品の内部にできた空洞を指します。鋳巣の発生は、ダイカストの欠陥現象であり、ダイカスト鋳造品の品質の低下を招きます。この鋳巣は大きく下記3種類に分類され、各種類により発生原因や取るべき対策が異なります。

1.引け巣
2.ガス巣
3.巻き込み巣

そこで今回は、それぞれの鋳巣の発生原因とその対策について詳しく解説します。

ダイカストにおける巣(鋳巣)の種類と発生原因・対策

引け巣

引け巣の発生原因としては、金属が凝固する際の体積変化が挙げられます。具体的には、金属が凝固・収縮した際に、内部に真空の空洞ができてしまいます。これが、引け巣となります。この引け巣は特に、厚肉部や複雑形状部に発生しやすいです。

対策方法としては、下記2つが挙げられます。

1.偏肉設計を控え、製品肉厚を均一化する
2.鋳造や冷却等の鋳造条件を見直す

ガス巣

ガス巣の発生原因としては、文字通り、金型へ溶解金属を注入する際に発生するガスが挙げられます。具体的には、チップ潤滑剤や離型剤、水残りによるガスを巻き込むことにより、ガス巣となります。

対策方法としては下記の3つが挙げられます。

1.潤滑剤、離型剤塗布量の低減
2.エアーブローの適正化
3.金型冷却水の漏れ防止

巻き込み巣

巻き込み巣の発生原因としては、金型へ溶解金属を注入する際に起きる射出スリーブ内、金型内の空気の巻き込みが挙げられます。金属はすぐに凝固していくため、空気が取り込まれたまま固まり、巻き込み巣となります。

対策方法としては、下記2つが挙げられます。

1.充填率等の鋳造条件を見直す
2.製品形状等の見直しにより、湯流れをスムーズにする

巣の発生を抑えたダイカストのことならアルミダイカストVA・VEラボにお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回はダイカストにおける巣の発生原因とその対策についてご紹介しました。もちろん、上記でご紹介した対策を講じる事も重要ですが、特殊なダイカスト鋳造法や技術により鋳造品を製作することも1つの解決策となります。

当社では、この巣の発生を極限まで押さえることができる”ゼロネスト(鋳巣を発生させない)ダイカスト”の技術を保有しています。この技術を用いることで、強度が求められる部品も問題なく製作することが可能です。

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