技術コラム

ハイプレッシャーダイカストとは?当社のハイプレッシャーダイカスト技術をご紹介!

アルミニウム合金の鋳造方法には、様々な種類が存在しています。例えば、ハイプレッシャーダイカスト、グラビティ―ダイカスト、スクイズダイカスト、ロープレッシャーダイカスト等が挙げられます。各鋳造方法により、特徴や得意とする製品形状が全く異なります。今回は、そんなダイカスト鋳造方法の中でも、最も有名であるハイプレッシャーダイカストについて詳しくご紹介します。

ハイプレッシャーダイカストとは?

ハイプレッシャーダイカストとは、高速高圧で金型内部にアルミ溶湯を流し入れることで、金型細部まで金属を流し込む鋳造方法となります。このハイプレッシャーダイカストでは、薄肉形状の製品に最適な工法であり、外観の非常に綺麗な製品を製作することが可能です。また、ハイプレッシャーダイカストは、サイクルタイムが早いため、生産性が非常に良い工法ともいえます。

一方で、金型へ溶湯注入の際に起こる、金型内の空気の巻き込みなどが要因となり発生する※鋳巣(引け巣・ガス巣・巻き込み巣) のよる強度低下などのデメリットが伴います。

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当社のハイプレッシャーダイカスト技術

当社では、このハイプレッシャーダイカストを局部加圧や減圧ダイカスト法などの活用に加え、独自の鋳造条件設定により鋳巣発生を抑制し、気孔率1%以下の高強度且つ高精度な製品を製作することが可能です。

また、1商品で年間1,000万個を超える量を生産しておりますが、これらの技術を活用することで、納入開始から約20年の間、鋳巣不良による納入不具合はゼロであり、大量生産時も同品質の製品を提供できることを証明しています。

これはダイカストだけでなく、内製設備を使用している加工・ASSY・リークテスト工程を一貫で行う当社ならではの実績です。

当社最大の特徴として、金型製作前の各種解析及びCAE予測結果と、実際に金型を用いて製品を製作した際の寸法・品質の精度が非常に高いことです。これにより、量産後大きな品質不具合が起きないことから、高品質製品の提供だけでなく、TRY期間短縮による短期間での製品提供にも貢献可能です。

ハイプレッシャーダイカスト技術を活かした製品事例をご紹介

ロッカーアーム

こちらは、自動車のエンジン部のロッカーアームです。ロッカーアームには高い強度が求められるため、鋳巣の発生を極限まで防止する必要がありました。そのため、減圧鋳造及び2次加圧により、鋳巣規格Φ0.5mm以下、鋳巣不良率0.02%以下を実現しました。また、自社内のASSY機を用いて、ローラー・スクリュー・シンクロピストン等の構成部品37点をアッセンブリしています。製造後には、QA機により全数検査を実施しており、品質管理を徹底しています。

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HOLDER COMP,NO1 CAM R

こちらは、エンジン部のカムジャーナル・カムトラスト面の受け及び、VTCの油路となる部品です。製品の納入後に、カムジャーナル受け部は他部品と共加工されるため、加工面に鋳巣が発生すると不具合が発生する恐れがありました。そこで、ダイカスト鋳造時に、冷却の強化および、凝固コントロールによる鋳巣抑制を徹底し、鋳巣良品率100%を実現しています。

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PASSAGE COMP,WATER

こちらは、エンジン部のタービン・リフターへの油路となる部品となります。当製品では、端面に共加工を行うため、該当部の鋳巣の削減を抑制する必要がありました。当社の強みである、ハイプレッシャーダイカスト技術を活用して、鋳巣の発生を極限まで抑えています。

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ハイプレッシャーダイカストのことならアルミダイカストVA・VEラボにお任せください!

いかがでしたでしょうか。今回はハイプレッシャーダイカストについて詳しくご紹介しました。前述の通り、当社はハイプレッシャーダイカストを活用した高度な技術を保有しています。この技術を活用することで、巣の発生を極限まで押さえることができる”ゼロネスト(鋳巣を発生させない)ダイカスト”を行なっております。これにより、強度、精度が求められる部品も問題なく製作することが可能です。

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「鋳巣の発生を抑えたい・・・」「高強度なダイカスト鋳造品が欲しい・・・」等のお困りごとがございましたら、アルミダイカストVA・VEラボにお気軽にご相談ください。

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